指定業者を変更せずに原状回復工事費用を削減することは可能?
- 2022.5.11
テナント物件は「原状回復工事を指定業者で行う」という契約であることがほとんどです。
契約時はあまり気にならないこともあり、店舗物件から退去するときなって、「原状回復工事の見積もりを指定業者から取得したら高くて困った」ということが多く見受けられます。
どのようにしたら、指定業者を変更せずに原状回復工事を削減できるのかについてお伝えいたします。
目次
テナント物件の原状回復工事の費用削減ができる理由
9割を超える企業様が原状回復工事(B工事)の適正価格を知ることができない(調査できない)ために、高く支払っています。
下記は原状回復工事の適正価格を調査できない代表的な理由です。
- 契約で工事できる業者が指定されており、相見積もりが非常に困難。
- 指定業者だけが工事可能であるから「見積書どおりの金額で依頼するしか方法はない」と思い込んでしまう。
- 工事金額を交渉しようにも材料がなく見積もり通りの金額で依頼せざるを得ない。
- 通常業務と並行して行っているため、時間的余裕がない。
- 指定業者が複数あり、相見積もりができたとしても、どの業者も高価格となってしまう。
- 原状回復工事を依頼(発注)する側(オフィスや店舗を使用していた企業様)の大半は専門外であり、指定業者からいただいた見積書の工事内容、見積もり金額が適正なのかどうか判断できない。
一方で、原状回復工事を安くするために、指定業者を変更しようとされる企業様もいらっしゃいますが、おすすめできません。
契約で定めた指定業者を変更しない方が良い理由
指定業者を変更することで、原状回復工事費用を削減しようする方法もありますが、以下の理由でおすすめできません。
社会的信用を失う可能性が高い
入居時に結んだ賃貸借契約書・特約の内容を後出しじゃんけんのように変更するわけですから、信用が大切なビジネスにおいてマイナスになる可能性があります。
SNSなどで個人が世界中に向けて発信できる世の中です。
このようなことはないとは思いますが、指定業者の変更や、変更しようとしている姿をSNSなどで発信されてしまうと、ブランドイメージ、会社の信用がマイナスになってしまうのではないでしょうか。
会社やブランドを完全に畳むのであれば別ですが、契約を変更することなく原状回復工事費用を削減するのが重要です。
指定業者変更はトラブルのもと
建物オーナーは、建物のことをよく知っている業者に工事をしてもらい、建物の価値を維持したいと考えています。
建物のことを知らない業者に工事をされてしまい、建物に問題が発生してしまい入居中のテナントに影響が出てしまったら、一大事です。
建物の価値を維持し収益を上げたい建物オーナーの立場を考えると、指定業者を変更するのは好ましくありません。
もし、指定業者の変更がOKとなったとしても、トラブルになる可能性はあります。
原状回復後のチェックで未施工部分が管理会社や建物オーナーから指摘され、再工事となり期日まで退去完了できず、再工事費用、違約金などが必要になることもあるからです。
ビル特有の事情を知らなければ工事できないことも
ビルによっては、空調プログラムの変更費用や入退館システムの変更費用などが必要になるケースもあります。
ビルに精通した業者でないと必要な工事内容は把握できません。
「指定業者を変更してもらえば、安くなる」というのは選択肢のひとつかもしれませんが、指定業者は変更しないで原状回復工事費用を抑えるのがベストです。
退去時に行う原状回復工事の相場確認は難しい
適正な金額を調査するために一般的に使用されるのが、相見積もりです。
先ほど、お伝えしたように、原状回復工事は指定業者ということもあり、相見積もりを取得することができず、どうやったら相場を確認できるのかわからず、時間ばかり過ぎていく企業様が大半です。
原状回復工事の坪単価
原状回復工事の坪単価は3~30万円とケースバイケースであり、坪単価で相場を確認してしまうと、間違った結果を得てしまいます。
テナント物件によって退去時に行う工事内容に幅があるためなのですが、逆にいえば本当に必要な工事は何なのかを賃貸借契約書並びに特約で確認し、余分な工事が入っていないかをチェックすることが重要です。
賃貸店舗物件とオフィス物件の違い
店舗物件とオフィス物件で原状回復の範囲が異なることも相場を知る障害になっています。
賃貸借契約書の内容により異なりますが、店舗物件の場合、スケルトン状態まで原状回復することが多く、オフィス物件では最低限の内装がある状態に原状回復することが多いからです。
内装をすべて撤去しスケルトン状態にする原状回復の工事費用は高額になりやすいですし、オフィス物件であまり内装を変更せずにご使用いただいていた場合の原状回復費用は安くなります。
資産区分にも注意
原状回復工事の費用を考える際は資産区分にも注意が必要です。
入居時B工事として施工した部分は、民法では所有しているのは建物オーナー、会計上では入居者となってます。入居時C工事として施工した部分は、民法上も会計上も入居者の資産です。
一般に指定業者による工事が必要なのはB工事ですので、場合によっては原状回復工事を分けて実施した方が安くなることもありえます。
工事費用の適正査定は原状回復コンサルティング会社に依頼すべき
オフィスや店舗物件の退去に伴う原状回復工事を削減したいのなら、原状回復コンサルティング会社に査定を依頼するのがベストです。
俯瞰した視点から工事の内容を把握し適正な金額を算出することができるのは、工事業者ではなく原状回復コンサルティング会社です。
また、数多くのビルやオーナー、指定工事業者の特性を把握していますから、安心して査定を依頼することが可能です。
指定業者ではない工事業者に見積もりだけの依頼はおすすめできない
工事業者は工事を請け負うために見積もりを作成します。
仕事にならない仕事をするのは、誰でも面倒だと感じますし嫌がります。
もし、どうしても見積もりを取得したいという場合は、工事業者に対して「見積だけで工事は依頼できない」とお伝えして「見積もりをしてもらうための費用は出す」という形で依頼するようにしましょう。
また、工事業者に費用削減交渉を依頼できないのも、おすすめしない理由のひとつです。
原状回復工事の減額はコンサルティング会社への依頼がおすすめ
原状回復工事の適正価格が判明したら、価格交渉を行いますが、原状回復コンサルティングに依頼するのがおすすめです。
時間的余裕のなさ
事務所や店舗の移転業務は、通常業務に加算されて行う必要がありますので、担当者の時間的余裕はあまりありません。
価格交渉するには準備が最も重要ですが、時間的余裕がなく十二分な準備ができずに、価格交渉が失敗に終わるケースも考えられます。
専門分野外の交渉は難しい
専門分野でなければ、言葉の壁にぶつかります。
原状回復工事の見積もりや工事業者の言葉の意味を理解するには、相応の時間と経験が必要なため、不利になるケースが多いです。
契約書で工事業者が指定されているため、工事業者が有利、借主は不利
契約で指定業者が定められていることもあり、原状回復工事は立場的に工事業者側が有利で、物件を借りている借主は不利です。
建設や不動産を専門としていない担当者では大きな減額交渉は進まないでしょう。
価格交渉を成功させる確率を上げるには、専門分野に熟知したコンサルタントに依頼するのがベストです。
原状回復コンサルティング会社は完全報酬型がおすすめ
原状回復工事を査定し減額交渉までしてくれる原状回復コンサルティング会社を選ぶ基準として、注意点がいくつかあります。
完全成果報酬型のコンサルティング会社であっても、手数料などの費用が別途請求されることもありますので、報酬体系については確実に調べておきましょう。
完全成果報酬型のコンサルティング会社に依頼し、原状回復費用は削減できたものの、トータル費用を算出したら逆に高くなることも考えられます。
完全成果報酬型でない場合は、原状回復費用を削減したくて依頼したのに、削減できなかったというケースも考えられます。
株式会社Leasing Innovation(リーシングイノベーション)は、完全成果報酬型の原状回復コンサルティング会社として、原状回復費用の査定、減額コンサルティングを行っています。
着手金などの初期費用は必要なく、ご相談、適正査定は無料です。
原状回復工事費用が高く、少しでも安くしてオフィス移転の経費を削減したいとお考えでしたら、まずはご相談ください。
この記事のまとめ
指定業者を変更しない方がいい理由は?
原状回復工事の適正金額とは?
またその工事費用も坪当たりの金額が3万~30万円超とケースバイケースの為、適正金額が分かりにくい現状があります。
査定会社に依頼するのが良いでしょう。 原状回復の坪単価について詳しくはこちら
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