坪単価90万円超え!高額なB工事費用の原因とは?!OWNEDMEDIA

坪単価90万円超え!高額なB工事費用の原因とは?!

  • 2024.11.5
坪単価90万円超え!高額なB工事費用の原因とは?!

オフィス工事において、多くのテナント様の頭を悩ませているのが高額なB工事費用です。
本コラムでは坪単価90万円超えの高額事例について解説します。
どのような条件が揃うと高額化してしまうのか、予想しながら読み進めてみてください。

なぜB工事があるの?

そもそもB工事とはオーナーが施工会社を指定し、テナントが費用を負担する工事です。
オーナーは建物全体の安全性や将来的な保全を考慮して、建物の状況を熟知した工事業者を指定します。
特に大型ビルやハイグレードビルは、賃貸人である大手デベロッパーや、ビル自体の施工主である大手ゼネコンがオフィス内装工事の指定業者になることが多いです。

B工事の平均費用

弊社が保有しているB工事見積データより、2024年時点の入居B工事費用は「坪単価8~80万円」と金額幅がかなり広いです。前回のコラムでもお伝えしたように、B工事と言っても「全てB工事の場合」や、「間仕切、床工事以外がB工事の場合」「設備工事のみB工事の場合」等、物件によってB工事範囲が様々であるため、金額も大小様々です。

高額事例

そんな中、これまでご相談いただいたB工事の中でも、非常に高額である坪単価90万円越えのB工事事例について、その金額に至った5つの要因について解説します。

5つの要因

  • ビルグレード

本工事が行われた物件は、大手デベロッパー所有物件であり、Sグレードに匹敵するハイグレードビルです。
ハイグレードビルの施工会社は基本的に大手ゼネコンが多く、部材費や労務費、経費率は必然的に高くなります。また、ビル特有の経費が発生する場合もあります。本件の場合は、「電気空調衛生計画費」の約35万円が、一般の経費とは別に計上されていました。

  • 工事請負体制

本件の元請業者は賃貸人である大手デベロッパーでした。元請業者は最終的な見積を提出する立場であるため、施工会社から上がってきた見積に元請業者の自由な裁量で経費等の金額を上乗せすることができます。
本件では、建築工事に含まれる仮設工事や撤去解体工事、設備工事に含まれる電灯設備工事やコンセント設備工事等、全ての工事に対して18%の現場経費(一般的には15%程度)が計上されており、更に直接工事費に対しても、現場管理費6%+諸経費11%の合計17%(一般的には10~15%)が計上されていました。

  • 区画数

50坪以下という契約面積であれば、4~5区画形成が一般的ですが、本件では8区画あり、それによって、各部屋の空調衛生工事が発生し、設備変更に伴うB工事費用が高額の要因になっていました。

  • 建築工事

直接工事費の約75%が建築工事であり、その内の約50%がパネル・スライディング工事でした。それほどの金額を占める最大の要因は、ガラススライディングウォールです。
ガラスパーテーションは一般的なスチールパーテーションより部材費や施工費が高額であり、本件では、ダブルガラスパネルの部材費として約70万円/面が計上されており、また「ガラス工事費」という名目で施工費が約270万円計上されていました。

  • 電気設備工事

建築工事の次に、直接工事費の約20%を占めていたのが電気設備工事で、その内の約50%が電灯設備工事でした。エントランスの天井にダクトレールを這わせ、ダウンライト化する仕様になっており、それに関わる部材費や電工費が多く計上されていました。

まとめ

高額な入居B工事の要因について解説してみましたが、いかがでしたでしょうか?
本件のように、坪90万円近くかかるB工事もあれば、坪8万円でできるB工事もあるため、工事区分、ビルグレード、元請業者、施工業者、規模、部屋数、施工内容によって、金額は大幅に変動します。そのため、同条件の過去データがないと、見積取得前の概算算出や見積取得後の見積査定は難しいです。
弊社では、過去3,000件以上のB工事見積データを保有しているため、より正確な概算算出・見積査定が可能です。社内にデータやリソースがない場合には、是非お気軽にお問い合わせください。

この記事のまとめ

この記事を書いた人

ディレクター 柳澤 英一郎

Leasing Innovationの設立に伴い参画。B工事のコンサルティング会社で経験を積み、3,000社以上の査定を行っており、大手監査法人の大規模統合移転の退去プロジェクト等の実績を持つ。

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