オフィス工事の坪単価は5~40万円(平米あたり1.5~12万円)物件の大きさや内装により変わる
- 2021.5.10
賃貸オフィスの入居工事の坪単価は、入居する物件の大きさや内装の状態(グレード)により変化し、坪5~40万円(平米あたり1.5~12万円)が相場です。
内装を簡略なものとし坪5~10万円と安く済ませることもできますが、会議室など個室がある内装で間仕切り壁が多い場合は、坪15~30万円程度になり、店舗向けのようにスケルトン状態から内装工事を行うと坪40万円になることもあります。
さらに、立地条件や建物のグレードによっても価格差が生まれてきます。
当記事は、オフィス退去時に行う原状回復も含め、オフィス工事費用を抑えるポイントについて詳しく解説します。
目次
居抜き物件はオフィス入居工事費用を抑えられるが、原状回復費用が高くなる可能性あり
居抜き物件は飲食店や店舗で一般的でしたが、近年、事務所においても居抜き物件が増えてきています。
以前入居していた設備が残してあり、再利用できる居抜き物件は入居工事費用を抑えることができます。
例えば、造作壁やタイルカーペットを流用し、受付や会議室、サイン(看板)などお客様の目に触れる部分だけの内装工事とすれば工事費用が抑えられます。
しかし、使い勝手が悪く追加で内装工事をした結果、通常の物件にしておいた方が結果的に安くなったケースもあります。
また、使用可能な電気容量が少なく、パソコンや複合機、プリンター、コピー機などを設置するために、大掛かりな電気工事が追加で必要になることもあります。
電気工事を後から行うと壁や床に電線を収納するモールという出っ張りを設けることが多く、見栄えや歩行、机の配置、椅子の動きなどの障害になってしまいます。
さらに、契約によっては退去時の原状回復範囲が大きくなり原状回復工事費用が高くなる可能性も否定できません。
スケルトン物件は内装工事の坪単価が高くなるが、自由にできる範囲が広い
飲食店や店舗で一般的なスケルトン物件を事務所とすることも可能ですが、内装工事費用が高くなるデメリットがあります。
一方で、ブランドイメージを出せる、好みのデザインが採用できる、効率のよい動線にすることができるなどのメリットがあります。
また、什器を揃え、統一感があり見栄えのある内装にすることもできます。
入居後の従業員のモチベーション、業務効率、自由なデザインができるのがスケルトン物件の魅力です。
なお、スケルトン物件の内装工事は設計費が別途加算されることが多く、退去時はスケルトン状態に原状回復する必要がありますので、原状回復工事費用も考えておく必要があります。
一般的なオフィス物件の内装工事費用を抑えるには
事務所物件は、床・壁・天井の内装まで仕上がった状態が多いです。
そのまま使うことも不可能ではありませんが、使いやすいように内装工事を行うことが一般的です。
B工事とC工事
事務所、店舗などの事業用物件の多くは、ビルの価値(不動産の価値)を保つ目的で、内装工事に区分が設けられています。
ビルに影響する工事をB工事といい、ビルオーナーにより工事業者が指定されています。
一方、ビルに影響しない工事をC工事といい、入居者が自由に工事業者を決めることができます。
B工事とC工事の区分は入居する際の契約で決定し、賃貸借契約書や特約に明記されます。
一般的に市場競争原理が働かないB工事の費用は高くなり、相見積もりが取れ自由に工事業者を指定できるC工事の費用は安くなります。
入居する際の契約で決定する工事範囲・区分が、オフィス工事の単価を下げるポイントといって過言ではありません。
B工事費用が高いとき
内装C工事であれば、相見積もりを自由に取得し価格交渉し工事することが可能ですが、工事業者が指定されているB工事の相見積もりは難しいです。
「指定業者を変更しB工事が可能」としている業者もありますが、工事内容が建物オーナーや管理会社の求めるもとと異なると、再工事が発生し余計な費用がかかってしまいます。
B工事の費用を抑えるには、各工事内容と項目が適切な金額なのか、見極めて交渉するしかありません。
なお、事務所を退去する際に行う原状回復においても同じ対応が必要です。
天井スケルトン仕上げは費用が高くなることもある
入居する物件がスケルトン物件の場合、天井スケルトンにすると費用を抑えられますが、一般的なオフィス物件で天井が既にある場合、天井を壊す必要があるため、工事費用は高くなります。
壁工事よりパーティション工事
造作壁を作るよりもパーティションを使って部屋を仕切った方がオフィス工事費用は安くなります。
造作壁を作る工事はB工事、パーティションの設置はC工事となることが多いためです。
設備工事の問題
2022年現在、トイレやエアコンなどの設備工事をする際、世界的な半導体の不足などの影響で部品の調達が困難になっています。
グレードを落とし費用を抑えようとしても、高いグレードのものしか在庫がないケースもあり、思ったようにコスト削減できないこともあります。
部品を待っていたら工事が終わらず入居できませんので、妥協する必要があるかもしれません。
内装の優先順位が工事費用に直結
内装工事費用を抑えたいのか、デザイン優先で進めたいのか、入居後の使い勝手の効率を一番にするのか、何を最も優先すべきなのか、次に優先するべきものは何か、という具合にすべての項目について優先順位をつけましょう。
優先順位がなければ、どこからコストを削減したらよいかわからず、時間ばかり無駄に過ぎてしまいます。
優先順位が決まったら、内装に妥協し少し単価の安いフローリングやタイルカーペットに変更してもいいですし、逆に防音が大切だからコストアップを許容するということもできます。
原状回復工事にも影響する内装工事
オフィス工事というと、入居時の内装工事だけに目が行きがちですが、退去する際の原状回復工事費用、改装費用にも関係してきます。
工事範囲などを明確にする協議を行った上で、賃貸借契約を締結することが必要です。
なお、入居工事ではC工事、退去する際はB工事という指定になることも考えられます。
賃貸借契約では、不明な点や曖昧な点、不利になる点がないように詳細まで確認することが大切です。
オフィス工事の坪単価を下げる方法
お伝えしたように、オフィス工事は物件の状況や内装デザイン、賃貸借契約の内容によって、坪単価は変わってきます。
坪単価を下げるには、優先順位をつけ、適正金額での工事、不要な工事を避ける必要がありますが、材料が入手できなくなる、入手まで時間がかかるなど2022年現在、相場は不安定に推移しており、価格交渉が難しくなってきています。
そこで、オフィス・事務所移転のプロフェッショナルでもあるコンサルティング会社Leasing Innovationに依頼し、移転業務をスムーズにし、移転に必要な業務に抜けがないようにすることをおすすめします。
移転のすべてを依頼してもいいですし、部分的に入ってもらうことも可能です。
オフィス移転のプロジェクトが進行しているのでしたら、是非Leasing Innovationにご相談ください。
この記事のまとめ
オフィス工事の坪単価を下げる方法はありますか?
オフィスの居抜き物件の内装工事は安いですか?
オフィス工事のB工事を安くする方法はありますか?
この記事を書いた人